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第1回 ペットの肥満について
ペットと素敵な暮らしを続けるためには、ただ可愛がるだけではすまされません。体調管理に関することなどを近藤獣医師にうかがいました。
ペットも人間と同様、肥満は万病の元です
編集部 ペットを飼ううえで気をつけることを考えると、まず肥満が思い浮かびます。
近藤獣医師 そうですね。毎日の生活に関わる食事と運動で予防ができますからね。
そうなんです。ペットが肥満になると飼い主が責められてるみたいで…。
食事やオヤツの種類や量、適度な運動はみな異なりますから、適切なラインを探すのは意外と難しいと思います。ただ肥満は万病の元ですから注意しなければなりません。
ボディコンディションスコア(BCS)に注目
肥満の目安はありますか?
同じ仲間でも骨格によって正体重は異なるので、何キロというのが難しいんです。なのでボディコンディションスコアを用いることが多いですね。簡単にいうと見た目と触れた状態から判断する目安です。
先生は理想的な体重の目安をどのように説明されますか?
あばら骨がうっすらわかり、触るとごつごつしていない感じと説明します。上から見ると軽くくびれがある状態です。くびれが深くなれば痩せているし、くびれがなければ肥満に近いと思います。しかし直接診ないとわからないので、あくまで目安の一つだと考えてください。
食事と運動が肥満解消の基本です
肥満気味だな、と思ったらどうしたらいいでしょうか?
食事の量を減らすことが必要ですね。でもそれがストレスになることがあるのでカロリーを抑えたライトフードにするなど試してみてください。
ネコちゃんの場合、基本家の中ですから、思いっきり遊ぶだけでいいでしょうか?
そうですね。さらにキャットタワーなどの遊具があるといいですね。
犬の場合は散歩やドックランなどで遊ばせることです。以前、朝晩しっかり散歩させているチワワを診察したのですが、脚の筋肉が立派で競走馬のようで驚いたことがあります。こんなに鍛える必要はありませんが、運動はストレス発散にもなるので適度にとらせてください。
食べているけど痩せる、そのような時は病院へ
痩せ型で注意することはありますか?
フードがあっていなかったり、病気が考えられます。特に食べているのに痩せるという症状がでたら糖尿病などの可能性があるので、病院に連れて行ってください。糖尿病になるとインシュリンの注射が必要になることがあります。ペットも大変ですが飼い主さまの負担もかなりのものになります。
幸せに暮らすためにも日々の観察がかかせませんね。
それから何事も予防が大切です。獣医師さんと相談しながら健康的な生活をめざしましょう。