美容ソムリエの“ススメ”

日々研究と新しい技術の勉強を重ね、
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いただくミッションを持っています。

肌免疫とは…?

細菌、ウイルスなどの異物から私たちを守る身体の機能を「免疫」と言います。
異物が体内へ入ろうとしたとき、それを攻撃、排除して病気を防いだり、治そうとする力です。
私たちの肌にも花粉やPM2.5、細菌、ウイルスなどの異物から身を守るための「肌免疫」が備わっています。
では、どのようにして肌は私たちを守ってくれているのでしょうか?

3つのバリア機能で異物からブロック!

肌には、異物に対して働く3つのバリア機能が存在します。それらをご紹介します。

● 【第一関門】肌フローラバリア!
細菌などの異物の侵入をまず防いでくれるのが肌表面のフローラ(常在菌)バリアです。様々な常在菌がいる中で、私たちの肌を守ってくれるのが善玉菌です。善玉菌は肌表面にある汗や皮脂をえさに脂肪酸を作り出します。この脂肪酸は肌を弱酸性に保ち、細菌の増殖を防ぎます。

● 【第二関門】物理的バリア!
肌は異物をバリアする物理的構造を持っています。それが、角層の細胞間脂質とその下の顆粒層にあるタイトジャンクションの2つです。
肌は表面に近い方から角層、顆粒層、有棘層、基底層で構成されています。表皮の最上部にある角層では10~20層ほどの細胞がレンガのように積み重なっています。その間をセメントのように、セラミドをはじめとする細胞間脂質が満たしています。その下には、顆粒層があり、内部にはタイトジャンクションというものが存在します。タイトジャンクションは、接着剤のように細胞同士を密着させ、異物の侵入を防いでいます。

● 【第三関門】免疫バリア!
第一関門、第二関門で異物の侵入をほとんど阻止することができますが、傷口があったり、肌が乾燥して細胞間脂質が欠けていると、異物が肌の中に侵入してしまいます。そのような場合に活躍するのがランゲルハンス細胞であり、肌免疫の中で最も重要な役割を果たします。ランゲルハンス細胞は、手をアンテナのように広げ、肌内部に異物がいないかを常にパトロールしています。異物を発見した場合、異物の内部情報をキャッチし、リンパ管にいるT細胞に情報を伝えます。それを聞いたT細胞が各細胞たちに攻撃の指令を出し、好中球やマクロファージ、キラーT細胞などによって異物は排除されます。ランゲルハンス細胞が正しく機能していれば、異物が肌の奥深くに入ってくる前に排除することができます。

「プチ情報」免疫力が低下すると細胞がゾンビ化する!?

私たちの身体の中では傷ついた細胞が毎日生まれています。通常ならば、ランゲルハンス細胞によって発見され、排除されます。しかし、免疫力が下がっていると、ランゲルハンス細胞がうまく働かず、傷ついた細胞はそのまま残り続けます。この細胞はゾンビ細胞(老化細胞)と呼ばれており、周りの細胞を傷つける物質を放出して、傷ついた細胞を増やし、老化や病気を引き起こします。この現象、実は身体だけでなく、肌の細胞でも起こり得るものなのです。肌免疫を高め、ゾンビ細胞を減らしていきましょう!

肌免疫をあげるためには…

今年は、冬の乾燥に加え、コロナウイルスの影響でこまめな除菌やマスクとの擦れによって肌フローラバリアや物理的バリアが弱まりやすくなっています。そこで肌免疫を高めるための4つの方法をご紹介します。

1.保湿ケア
乾燥している肌は異物が侵入しやすくなるため、丁寧な保湿を心掛けましょう。

2.紫外線ケア
紫外線は乾燥を引き起こすだけでなく、ランゲルハンス細胞を傷つけ、その機能を低下させると言われています。季節、天候関係なく毎日の紫外線ケアは欠かせません。

3.ストレスケア
最近の研究でストレスによってランゲルハンス細胞が減少し、肌免疫が低下することがわかってきました。少しでもいいのでリラックスできる時間を作ってみてはいかがでしょうか。

4.食生活でケア
バランスよく栄養を摂ることで肌免疫を上げることができます。以下のような食材をとって身体の内側から美しくなりましょう!

●抗酸化作用のある食品(人参、小松菜など)
緑黄色野菜に含まれるβカロテンには肌や粘膜の免疫力をアップさせてくれる効果があると言われており、紫外線やストレスでダメージを受けてバリア機能が低下したお肌をサポートしてくれます。

●タンパク質(肉、魚、大豆など)
肌を形成する素であるタンパク質が不足すると、新陳代謝を妨げ、肌を老化させる原因になります。同時にタンパク質は、肌のハリや弾力を保つコラーゲンの源でもあります。

●ビタミンC(キウイ、いちご、みかんなど)
肌や粘膜を健康に保つためにはビタミンCの摂取が大切です。コラーゲンの生成に必要不可欠で、肌のターンオーバーを整える作用があります。

文/新市場創造R&Dグループ 竹内 香織

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