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食べて飲んで話して笑いあえる九州一楽しい割烹に
辛子明太子で有名な「やまや」は、だしやからし高菜などの製造販売を行うとともに、もつ鍋や天ぷらなどのお店を国内外50店舗以上展開する会社です。2024年7月に創業50周年を迎えるにあたり、2023年3月に「やまや総本店」が誕生しました。
割烹料理の「膳」、ランチとお土産の「白金小径」を構えており、128号と129号で紹介します。
品格ある自由さで楽しい時間を演出
上記の鯖寿司と赤ワインの写真にはある趣向があります(写真は撮影用のペアリングです)。鯖寿司なのに手巻きであり、魚料理なのに赤ワインのセレクト。手巻きはお客さまがお料理に参加できますし、魚料理に赤ワインは会話に広がりをもたらします。味や格式でお客さまを圧倒するのではなく、楽しんでいただくことを重視しています。茶の湯に「綺麗さび」という言葉があります。「わびさび」の精神に美しさ、明るさ、豊かさを加えた美意識を指しますが、「膳」が提供する思いやりたっぷりの美味い料理とお酒には、「綺麗さび」に通じる美しさを感じました。
めざすのは九州一楽しい割烹料理店
京都と福岡で修業を積んだ安部料理長。「膳」を引き受けるにあたり、監修を手掛ける長谷川氏のお店、日本料理「傳」で修行をされました。「美味しいのはもちろん、楽しさと驚きを提供するお店でした。アジアのベストレストラン50で1位に輝いた理由を体験できました」と話されます。その長谷川氏の監修のもとで作られたのが「やまや総本店 膳」です。開店の年にソムリエ歴30年を迎えた浦支配人は「京都の技をベースに、九州の食材を使って、お客さまに楽しんでいただけるお店にしていきたい」と語られ「品格ある自由さによるおもてなし」を実践されます。「目標はまず九州一楽しい割烹です」と料理長。「傳」のように世界でここにしかないお店をめざされます。
100%の力を出し切るチームワークのお店
「傳」から持ちかえったものに「100%の力を出し切る接客」があります。スタッフに「100%の力を出していますか?」とうかがうとみなさん「出しています」とにこやかに答えられました。「特に一口目はみんな集中して見ていますね」と料理長。「口にされて笑顔になったらみんな心の中でガッツポーズ。目を見張られたら、感動されたのかな?それとも苦手な物があったかな?とお声がけをしてチームで素早く対応していく」そうです。「チームワークはばっちりですよ」と浦支配人も話されます。
涙を流して喜ばれたお客さまに感動
お料理の最後あたり、ふと誕生日であることを話されたカウンター席のお母さまと娘さま。急遽ご飯をお出しする土鍋の中にメッセージカードと、庭で摘んだ花束を入れてサプライズをしたそうです。お母さまは涙を流して喜ばれ「こちらこまで感動しました」とスタッフ。
お客さまに気を配るだけでなく、土鍋や庭の花という「膳」の環境を使い尽くしたおもてなしにスタッフとお店の力を感じました。
食べて飲んで話して笑いあうお客さまの姿が思い浮かぶようです。福岡に行ったらぜひこの楽しさを体験してください。