お金と心理学 第3回

ファイナンシャル・セラピーという言葉を聞いたことがありますか?

日本ではほとんど知られていませんが、アメリカでは学会が設立され目覚ましく進展している心理療法とお金を掛け合わせて統合した新領域です。生きていく上で大きな悩みの1つとなる「お金」を「心理学」の視点を持ちつつ考えてみると、少し悩みが軽くなるかもしれません。表面的なお金のやりくり法ではなく、自分を愛するアイラブミーらしい「心の持ち方」についても専門家に聞いてきました。

妻は家計のことを考えて節約をしている一方で、夫は相談無しに家計の予算を使って自分の趣味に当ててしまう、というご夫婦の悩みはとても多いです。男性は、自分で稼いだお金は自分のものと感じがちです。ですから、家庭にお金を入れて残ったお金は好きに使ってもいいと考えています。金銭感覚が違うと指摘されるまで普通のことだと思っている方も多いかもしれません。妻がコツコツ節約を重ねていることも気がついていない可能性もあります。話し合いの基本ですが、

まずは相手の性格や立場を理解することから始めましょう。

なぜそのような行動をするのか、の原因が見えてきます。
たとえば、夫が部下におごりすぎるというケース。夫はおそらく「いい顔をしたい性格」なのでしょう。そして、さらに自分よりも給料の安い若い部下たちを思いやる優しい性格かもしれません。カッコつけなければやってられない、という立場もあるのかもしれません。このような場合、「いい顔したいなんて自分勝手」「他人に優しくする前に家族のことを考えて」などと性格を非難する女性は少なくありません。ただ、「性格」を非難することは人格の否定につながります。人格の否定は、良好な関係でありたい人間関係においてはもっともやってはいけないこと。もしこの性格を改善したいのであれば、自分がその立場なら、部下におごらずにどのようにその立場を維持していくのか、別の方法を提案してみてください。

コミュニケーションは、相手を認めながら、少しずつ近づく様子をイメージして行うとうまく行きます。全否定から入ってしまっては、相手も全否定で対抗してくるものです。まずは話し合うところから、スタートしてみましょう。

一生懸命に節約してるから、もう我慢の限界に来ているのではないでしょうか。我慢が限界に達すると、自分の気づかないところでバーンと無駄な買い物をしてしまった経験はないでしょうか。我慢と無駄のバランスが崩れて、結局お金が貯まらず悩まれている方は多いんです。だとすると、お金を使わない事を意識するのではなくて、

「満足感を増やすために楽しく使う」

ことに焦点を当てるといいですね。自分の心と会話して、本当に自分が欲しいものは何?と明確になると、自然と他の物への欲も薄れて無駄遣いも減ってくることもあります。

まず最初に、「自分にとって幸せって何だろう」と考えてもらいたいです。その上で、「お金は自分の幸せにどのくらい関わってくるのか?」を考えてみると、幸せの非常に大切な一側面がお金にはあるものの「お金=幸せ」ではない事に気づくことができると思います。お金があれば幸せになれると思っている人は、お金があっても幸せにはなれないんです。自分にとっての幸せは何なのか、のイメージがあり、その一側面としてお金を大切にできる場合はお金があると幸せなんです。

お金は幸せの一側面、という事を忘れないでいただきたいです。

お金が少ないとしても他の側面でいくらでもカバーはできますね。自分の幸せは、自分の好きな物に囲まれて暮らすことだ、という人はある程度お金があった方がいいし、あるいは自分が本当に心を許せる人間関係や友人を大事にしたい、そういう幸せを大事にしたいと思う人はお金があるないに関係なく幸せになるので、なければないなりに工夫して人間関係を豊かにすることを大切にすると良さそうですね。

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