髪と頭皮のスペシャリスト余慶先生に聞く!
肌がきれいでも、ツヤのないバサバサ髪は見た目年齢が高く見えることも…。以前特集した「髪トレ」では、健康的な髪を育てる日頃のケアを取り上げました。今回は季節の変わり目におすすめのスペシャルケアをお伝えします。
夏のダメージによる髪と頭皮のケア、そして迫る乾燥シーズンに備えたリセット対策を、大好評だった「髪トレ」の余慶先生に再びお聞きします。
自宅でできる!「ヘアケア」と「スカルプケア」
強い紫外線や汗によるベタつき…夏のダメージは肌だけでなく、髪と頭皮にも。美しい状態で乾燥する冬を迎え撃つべく、季節の変わり目にこそしておきたいホームケアを学びましょう!
美容家/毛髪診断士
余慶 尚美(よけいなおみ) 先生
美巡家&ヘアケアリスト(毛髪診断士)2007年よりリンパドレナージュサロン「Flow」を経て、現在ではセラピストから活動の場を広げ、「美巡(びじゅん)」をテーマに多岐に活躍。漢方美容や薬膳料理にも精通、また、ヘアケアリスト(毛髪診断士)としても活躍中。近著に、漢方美容を取り入れた独自の頭皮ケア、美髪メソッドの「髪トレ」(主婦の友社)がある。
インスタグラム@yokenao/YouTube「美巡TALK」
ヘアケア編
しっかり「リセット」することが大切!
ダメージの原因は、紫外線、熱、洗髪後の自然乾燥(乾く前に就寝してしまう)など、様々。いずれも、まずはしっかりと「リセット」することが大切です。
すぐにできる3選をご紹介!
すぐできること 1 – サロンでヘアカット
ダメージを受けた際にまず対処したいのは、傷んだ髪のカット。髪を伸ばしている人も、毛先揃えのカットを。見た目を美しく整えてもらえる利点もあるため、1年内にあまり行かないという人も、できるだけサロンでのヘアカットは季節の変わり目ごとがおすすめです。
すぐできること 2 – おうちで“こってり”トリートメント
ヘアサロンでのトリートメントは、一時的に髪のダメージ修復はできるものの時間やコストの懸念も。市販のヘアマスクやトリートメント、コンディショナー製品でも充分にダメージケアが可能です。特に、「しっとり」などと記載されたタイプ(テクスチャーを触り普段使用しているものよりも、よりこってりとしていたらOK)を、傷んだ箇所を中心に揉み込みます。これらの製品は内部補修成分が入っているため、髪表面の補修と、髪内部にタンパク質の補給をします。
すぐできること 3 – ヘアオイルもいつもより“こってり”タイプを
暑い時はベタつき回避のためヘアオイルは使わないという方もいるかもしれませんが、ヘアオイルなど、髪表面をコーティングする役割のヘアケアアイテムは紫外線対策や静電気防止などが期待できるので、季節を問わず積極的に使うことをおすすめします。夏の間にダメージの進んだ髪には、少し重めのオイルでしっかりと髪表面を補修。熱や紫外線から守りましょう。
もう一歩踏み込んで!
ドライヤーを使うと「必ず熱で髪が傷む」というのは一昔前の話。今は、使うことで更に艶髪になるなど、高機能ドライヤーが色々と出て来ています。髪質や毛量、目的などによってどのドライヤーを選ぶべきか変わってきますが、最低でも、風量と温度の切替が可能なものを選ぶようにしましょう。
使用するブラシは、プラスティック製ではなく、自然由来のアイテムがおすすめです。例えば水分と油分のバランスがいい獣毛(豚毛や猪毛など)は、乾燥した髪にツヤを与えてくれる効果も。
スカルプケア編
スカルプケアは夏の終わりに最適!
8〜10月は抜け毛が増えます。季節の変わり目となる夏の終わりは、土壌を整えるのに一番良い時期。生え変わり時期はチャンス!と捉え、美しい髪を育むきっかけにし、ケアをしっかり行うタイミングにしましょう。正しいスカルプケアは白髪対策や髪のハリコシケアにも。土壌を育てるには、頭皮と髪のためのマッサージが大切です。毎日のシャンプー時に行うことがおすすめですが、お風呂上がり、髪と頭皮を乾かすときにスカルプケア用セラムを塗布することを習慣化するのもこの時期は特におすすめです。
すぐできること!I’m PINCHでスカルプケア
専用セラムの用意ができない人は I’m PINCHでも!
頭皮用のセラムをすぐに用意できない場合は、普段使っている顔用のセラム(美容液)を代用してのマッサージでも可能。I’m PINCHでお肌を整えた後、そのまま頭皮までマッサージ!
How to スカルプマッサージ
頭皮マッサージはシャンプー時やセラムをつけるときが効率的!
健康な髪と頭皮のための正しいブラッシングを
おさらい余慶式メソッド!
力の入りすぎは抜け毛の原因となるため、ブラッシングは頭皮に力を入れないようにしましょう。髪トレ特集でも好評だった、余慶先生直伝「毛先からの3段階ブラッシング」がおすすめ。上(頭皮側)からではなく、下(毛先側)から、3段階に分けてブラシをかけましょう。
髪と頭皮のために日常生活で大切なこと
質の良い睡眠をとる
頭皮と髪に栄養を行き渡らせるためにも、睡眠が大切。髪の生成に欠かせない毛母細胞を活性させる働きをする成長ホルモンは睡眠時に分泌されるため、睡眠不足や質の悪い睡眠は髪の発育促進に悪影響です。また、起床後は必ず日光浴を。陽を浴びてから約15時間後にメラトニン(眠気を促すホルモン)が分泌されるので、夜の寝入りを良くするため朝しっかり日光を浴び、スッキリ目覚めることも重要です。
寝る前には…頭皮までしっかり乾かす
就寝時は髪と頭皮を“しっかり”乾かしてから寝床へ入ることが大切。自然乾燥は髪の傷みを進行させる原因に。また髪が濡れたまま眠るのは、カビの発生と同じで、蒸れやすい状況を作ることで頭皮トラブルや薄毛・抜け毛の原因にもなるため、きちんと髪と頭皮をドライヤーで乾燥しましょう。
バランスのとれた食事
美しい髪には欠かせないたんぱく質(卵や大豆など)や、ミネラルを多く含む海藻などを摂取することが大切です。これらを手軽に摂るには、和食がおすすめ。また、女性ホルモンのバランスが崩れると髪や頭皮にダメージが出るため、葉酸や鉄分など女性に良いとされる栄養素のサプリを補助摂取するのも◎。まずはバランスのとれた食事を毎日摂りましょう。
余慶先生よりコメント
高価なシャンプー・コンディショナー、高機能のドライヤーやブラシを持っていても、正しく使えていなければケアをしていることにはなりません。手頃なアイテムでも、選び方や使い方で美しい髪を育て、健やかな頭皮を保つことは十分可能です。夏の終わりはケアを始める絶好の機会!できることから自宅で始めてみてください。