ココロとカラダを整える自律神経ガイド

なんとなくだるい…は自律神経の仕業かも!?

季節の変わり目や大型連休明けなどになんとなく体調がすぐれないと感じることはありませんか?病院で診てもらっても原因が分からないのに、体のどこかに痛みがあったり、大事な時にイマイチやる気が出なかったり。それは自律神経の乱れによるものかもしれません。

自律神経は血液循環・呼吸・消化吸収・排泄など、人間の生命活動維持に欠かせない機能をコントロールしている神経で、私たちの意思とは関係なく24時間常に働き続けています。睡眠中でも呼吸ができたり、体温を適切に保てたりするのは自律神経のおかげ。ですが自律神経は心身の疲れや環境の変化、骨格のゆがみといった、外的・内的からくるいわゆる「ストレス」の影響を受けやすく、乱れてしまうと私たちの体のあちこちにさまざまな不調をもたらします。

医学博士・脳神経内科医

久手堅 司(くでけん つかさ) 先生

気象病・寒暖差疲労など、ユニークな専門外来を持つ「せたがや内科・神経内科クリニック」の院長。自律神経や気象病についてSNSで分かりやすく発信中。著書に「気象病ハンドブック」「最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方」など。

せたがや内科・神経内科クリニック:https://setagayanaika.com/

Let’s Try! 自律神経が乱れていませんか? セルフチェックリスト

どちらも大事!交感神経と副交感神経

神経は、人間の体内でさまざまな器官とつながり、情報伝達の役割を担っています。神経の分類と主な働きは、左のチャートをご覧ください。

自律神経は、活動時に働く交感神経と、休息時に働く副交感神経とで構成されています。常にお互いがシーソーのようにバランスをとり合うことにより、体を良い状態に保っています。このバランスが崩れてしまうことを「自律神経が乱れている状態」といいます。

自律神経を乱す「ストレス」の正体

「ストレス」と聞くと精神的なものをイメージしがちですが、暑さや騒音などの環境的要因や、細菌感染・睡眠不足などの身体的要因も立派な「ストレス」。

そしてさらに見落とされやすいものに「骨格のゆがみ」といった肉体的「ストレス」もあります。自律神経は脳の視床下部から始まり、脊髄を通って全身の各器官につながっています。脊髄は脳と体をつなぐ神経の束で、首から腰までつながるケーブルのようなもの。人体にとってとても重要で、脊髄が損傷すると、体を動かせなくなったり、感覚がなくなったりしてしまいます。脊髄は、脊椎という骨のトンネル(背骨)を通ることにより守られていますが、通常S字のカーブを描く脊椎が変形したりズレたりしてしまうと、中のケーブルが圧迫され、正常な働きがしづらくなるのです。

骨格のゆがみは姿勢の悪さにつながります。ふだん正しい姿勢で立てているか、ご自身でチェックしてみましょう。

START!目をつぶり、3回ゆっくりと深呼吸してから力を抜きスタート!

自律神経を整える暮らし方のヒント

ここでは「ちょっと調子がでないかも」というときに自分でできる、自律神経の整え方をご紹介します。自律神経と関係が深い代表的な4つのカテゴリーからピックアップしました。いつもの習慣をちょっと見直すだけでOK! できることから取り入れていきましょう。

呼吸

自律神経は私たちの意思とは関係なく働くものですが、それをコントロールできる唯一の方法が呼吸です。集中したいときには交感神経を優位にする「胸式呼吸」、リラックスしたいときには副交感神経を優位にする「腹式呼吸」をするように心がけてください。呼吸は背骨の動きと連動しているので、呼吸を整えることは骨格のゆがみ改善にもつながります。

姿勢

脊椎(背骨)は、椎骨と呼ばれる24個の骨が連結してできています。この間隔が詰まると姿勢が崩れてしまいます。背骨をゆっくり丸めて伸ばす動きで、ゆがみを整え、姿勢を正しましょう

(1回30秒)脊椎全体にアプローチ!「背骨伸ばし」

睡眠

心身の休息と回復をもたらす睡眠は、自律神経を考える上で外せません。よい睡眠のためにはまず、眠り初め90分の質を高めることを意識してみてください。私たちは睡眠中、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しています。ノンレム睡眠は脳も体も眠っている状態、レム睡眠は、脳は起きているが体は眠っている状態。睡眠はこの2つをワンセット(90〜120分)としたサイクルで成り立っています。ここで大切なのは、眠りにつくと最初に一番深いノンレム睡眠がくるということ。ここだけはしっかり確保するようにしましょう。良質な睡眠のためには、寝具など眠りの環境を整えることも大切です。

食事

自律神経は、消化吸収を行う全身の器官と深い関わりがあります。また食事は、生活リズムを整える意味でも重要視したい項目です。食べ方やタイミングなどに加え、栄養素も意識してみてください。

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