MIRAI 駆け込みクリニック vol.2

胃活 – 胃と美容のおいしい関係

なんてことありませんか?美容や健康と言えば、「腸活」を一番に思い浮かべるかもしれませんが、実は「胃」も非常に重要な役割を担っているんです。今回は、なかなかフィーチャーされない「胃活」についてお伝えします。

桑島靖子 医師

日本内科学会内科専門医
日本東陽医学会漢方専門医
日本医師会認定産業医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医
日本抗加齢医学会専門医

胃の働きとは?

胃は胃袋と言われているように、筋肉でできた袋状の臓器です。空腹のときは平べったくぺちゃんこなのに、食物が送られてくると、胃壁が伸びて、風船のように膨らみます。その容量は、大人の胃で1.5~2リットルにもなります。食物の消化にかかわっている胃液には、強力な胃酸や、消化酵素などが含まれています。また、胃は3層の筋肉からできており、伸びたり縮んだりして蠕動(ぜんどう)運動を行うことで、食物と胃液をかき混ぜていきます。さらに、消化以外にも食物の貯蔵庫としての役割ももっています。私たちが食事と食事の間に時間を置くことができるのも、胃が貯蔵庫になっているおかげなのです。そして、食物と一緒に入ってくる病原菌などを殺菌して、なるべく体にとり込まないようにしたり、熱いものや冷たいものを食べたときに、それがそのまま腸に行かないように温度調節したりするのも胃の重要な役割です。働きが多い分、疲労しやすい臓器とも言えます。

胃が痛くなったり胃もたれしたりすれば胃の調子が悪いと気づけると思います。でも明らかに胃の不調と感じなくても胃が荒れていることはよくあります。胃カメラでキレイと言われた方でも、その時はキレイだったかもしれませんが胃の動きが悪かったり、急激なストレスがかかった時には荒れているかもしれません。

がっつりしたお肉が苦手な方はだいたい胃が弱いです。それを嗜好の問題だと思っている方も多いですが、症状かもしれません。

胃も老化する?

胃は、加齢によって粘膜が萎縮することで、胃酸分泌が減り、病原体への抵抗力が低下します。鉄やビタミンの吸収能力も落ちてしまいます。
また、胃の弾力性も低下するため、一度に大量の食べ物を胃にためておくことができなくなります。さらに、蠕動運動が弱まるため、小腸へ食べ物を運ぶ能力も低下します。つまり、たくさん食べていないように思っても、胃の中に食物がたまってしまい、胃が苦しくなるという症状がみられるようになります。

ダイエットの大敵、「別腹」は胃がつくり出すグレリンが原因?

食欲のバランスを取っているホルモンの一つにグレリンがあります。グレリンは、胃から分泌され、脳の食欲中枢を刺激して食欲を増進させる働きがあります。満腹状態でも、おいしそうなものを目にすると食欲が湧くことは別腹と呼ばれていますが、その別腹現象が起こるのは精神的な食欲の高まりによってグレリンが分泌されるからなのです。
胃の病気や不調によって胃壁が傷つくと食欲が低下するのは、胃からのグレリンの分泌が低下するからだと考えられています。グレリンは、睡眠不足になると分泌量が増えて食欲が増進します。これは睡眠不足に対応するために、活動に使われるエネルギー量を増やすための反応で、睡眠不足が続くと食欲が増してしまうのです。良質な睡眠をとることも、ダイエットに繋がるんですね。

LET’S 胃活

日々の生活の中のちょっとした工夫で、胃のパフォーマンスを上げて美容や健康につなげていきましょう。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

ツールバーへスキップ