こころのモヤッと解消ROOM vol.7

仕事や勉強、家事・育児と日々忙しく過ごす中あらゆる分野で壁にぶつかったり、イライラしたりすることありますよね。中でも、悩みやすいのは人間関係やコミュニケーションのこと。家族、友人、恋人、仕事仲間や取引先、先生、近所の人、知らない人…。関係値も様々だからこそ、わからなくなります。周りの人にはちょっと話しにくいモヤッと話、Emiko先生に聞いてもらってスッキリしませんか?

Emiko 先生

心理カウンセラーセラピスト

武蔵野大学人間科学部人間学科カウンセリングコース専攻卒業。トータルビューティーカレッジ東京校を卒業し、国際エステティック協会認定のエステティシャンに。エステティックサロンやメディカルクリニックで勤務したのち、現在はフリーランスでセラピストをする傍ら、オンライン「笑みサロン」を中心に心理カウンセリングなどを実施。

今回のお悩み

小規模保育園で施設長をしています。

20代の職員もいるのですが、世代間のギャップなのでしょうか…「自分で気が付いて率先してやる!」という意識が全く感じられず、言われた事だけやる、という彼らの仕事への向き合い方に違和感を感じています。

言い方を間違えると、反感を買ってしまう恐れもあると感じており、どのような言葉を掛ければ気持ちよく頑張ってくれるのかな?と日々悩みながら対応しています。

何か良い対処法、また、かけると良い言葉などあるのでしょうか。

今月のスッキリメッセージ

世代それぞれの仕事への姿勢は、世の中の状況や環境によって変わるのも否めないですよね。世代間のギャップを持ってしまうことも理解できます。ですので、世代別で…ということではなく「言われなくてもできる人間を育てる」考え方にシフトし、マネジメントについてお話します。

若い世代に限らず、「いつまでも言われたことしかできない人」いませんか?しかし、そもそも業務内容を理解していない、認識不足、「言われたこと以外も自分で考えて仕事するのが望ましい」ということを知らない、ということが原因である可能性もあります。自分で考えられる人を〝育てる〟フローを作りましょう。

ミッション、目的、理由を丁寧に伝える

▼仕事を依頼するときは、詳細に伝えます。自分や周りにとってはどんなに「当たり前」のことであっても、そう捉えていない人もいるので、丁寧に言葉にして認識をすり合わせることはとても大切です。

特に若い世代は経験が足りていないので、すぐに判断・実行することは難しいです。「言われたことしかできない」のは、相手にとって表面的な情報だけで、実は十分な情報が伝わっていないのかもと思ってみてください。

認識不足では、言われたこと以外で何に気を配ればいいのか、他に何をやっておけばよいのかを考えることができません。「わからないなら聞けばいい」と思ってしまいがちですが、情報が足りないと、そもそも何を聞いていいのかわからず、また〝わかっていない〟ことにも気づけないのです。

その仕事のミッション、背景など全体像を伝えることで、仕事に対する「判断軸」ができます。判断軸がわかって初めて、「これも必要かも」と自分で考えられるようになります。相手の動きが悪いと感じたら、仕事に必要な情報を自分が伝えられているかどうか、振り返りましょう。

相手への期待を伝える

▼「ピグマリオン効果」といって、人間は期待された通りの成果を出そうと努力するといわれます。「他にも必要なことがあれば、自分で考えてみてほしい」と理由とともに伝えれば、やる気になる可能性は高いです。どのような姿勢が望ましいのか、相手への「期待」をきちんと伝えましょう。すぐに行動や成果に繋がらないこともありますが、長い目で見守りながら伝え続けます。

話をよく聞き、質問にはきちんと答える

▼自分で考えて動き出すようになると、相談や提案される機会も増えてくるでしょう。これは良い兆しなので、相談や提案にはきちんと耳を傾け、質問にもしっかり向き合って対応します。

失敗を責めない

▼〝自分なりに〟考え動くようになると、当然、勘違いや失敗することも。その際、責めないよう気をつけます。「やっぱり言われたことだけしよう」となりかねません。何をどうすればよかったかを冷静かつ丁寧に伝え、相手にも組織にも活かせる貴重な経験にします。「失敗も活かすことが大切」と本人が認められると、「自分で考える、相談、実行」への恐れや戸惑いは無くなります。

〝考えて行動したこと〟を認めてあげる

▼相手が行動を起こしたことはきちんと認め、評価します。「自分で必要なことを考え、提案したほうがいい」と実感でき、続ける意欲につながります。たとえその行動が不要な業務だったとしても、まずは「よく気づいたね」など言葉をかけ、プラスαの仕事をした行動力を認めます。その上で、要不要については丁寧に修正を。行動を認め【感謝する】【間違っていれば修正する】を繰り返すことで、相手は、ミッションや方向性にずれなく自分で考えて行動するようになるでしょう。

初めから自分でできる人はいません。世代関係なく、能力の差も人それぞれ。たとえ今はできなくても、丁寧にコミュニケーションすることで、そして自発的に動いたことが評価される環境であれば、相手は「自分で考えることが求められている」という期待を理解し、意識が変わってきます。

一度育てば、高いパフォーマンスを発揮してくれるようになり、こちらもストレスを感じることがなくなるでしょう。まずは、自分が上司として丁寧に伝えられているか(相手に理解してほしい形で伝えることができたか)、話を聞いてあげているかを振り返りながら、根気よく「自分で考え行動する人に育てる」マネジメントをしてみませんか。

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